大腸内視鏡検査とは

大腸内視鏡検査とは肛門から内視鏡を挿入し、大腸内部の状態をモニターで確認する検査です。内視鏡には光源やレンズ、チャンネルなどが備えられており、大腸の粘膜や血管を高解像度で映し出すことができます。また、チャンネルから空気や水を送り込んだり、組織を採取したり、ポリープを切除したりすることもできます。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査の目的

大腸内視鏡検査の主な目的は、大腸がんや大腸ポリープを早期に発見することです。大腸がんは日本人の死亡原因の第2位であり、年間約5万人が亡くなっています。しかし、早期に発見すれば治癒率は高く、5年生存率は90%以上になります。そのため、定期的な検診や自覚症状がある場合は早めに受診することが重要です。大腸ポリープは、ほとんどの場合は良性ですが、一部は悪性化する可能性があります。特に直径1cm以上のポリープや絨毛性ポリープは要注意です。大腸内視鏡検査では、ポリープを見つけたらその場で切除することができます。これにより、大腸がんの発生を予防することができます。

大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査の流れ

(1)前日から食事制限
大腸内視鏡検査では、大腸をきれいにする必要があります。そのため、前日から食事制限を行います。夕食は消化の良いものを少量にし、20時までに済ませます。
その後は水やお茶などの透明な飲み物しか飲めません。また、種や皮のあるものや赤い色のものは避けましょう。
(2)前日寝る前に下剤を飲む
前日寝る前に水溶性下剤を飲みます。
(3)当日に下剤を飲む
当日の朝、指示された時間に下剤を飲みます。下剤は自宅で飲む場合と、医療機関で飲む場合とがあります。当院では自宅で飲んで頂きます。下剤を飲んだら、何度かトイレに通って水様便になるまで排便します。排便が終わったら、医療機関に向かいます。
(4)検査着に着替える
医療機関に到着したら、受付を済ませて検査着に着替えます。着替えやすい服装で来院することをおすすめします。また、貴重品やメガネなどは預けることになります。
(5)鎮静剤の投与を受ける
鎮静剤は、不安や緊張を和らげて眠りに近い状態にする薬です。鎮静剤を使うと、検査中の痛みや不快感が軽減されます。鎮静剤を使った場合は、検査後の車の運転は控えてください。
(6)内視鏡を挿入して観察する
検査室に入ったら、横向きになってお腹をリラックスさせます。肛門から内視鏡を挿入し、大腸内部の粘膜をモニターで確認しながら進めていきます。内視鏡は盲腸まで到達したら引き抜きながら観察します。
(7)ポリープや異常組織があれば切除や採取する
内視鏡でポリープや異常組織が見つかった場合は、その場で組織をつまんで検査に出すか、切除をおこなうこともあります。切除や採取した組織は、病理医による診断がおこなわれ、後日患者様に説明いたします。
(8)検査が終わったら休む
内視鏡が抜かれたら、検査が終了です。検査後はベッドの上で少し休んでから帰宅します。鎮静剤を使った場合は、1時間ほど休息します。食事は約1時間後から可能ですが、お腹の調子に合わせて軽めにしましょう。

大腸内視鏡検査まとめ

大腸内視鏡検査は、大腸の病気を早期に発見するための有効な検査です。検査前日から食事制限や下剤を飲む必要があります。鎮静剤を使えば不安や不快感を軽減することもできます。大腸内視鏡検査は、自分の健康を守るための大切な検査です。不安や恐怖感に負けずに、積極的に受けてみましょう。