「シリーズ連載・ピロリ菌」ピロリ菌とは何ですか?発見された経緯を含めて詳しく専門医がご説明いたします。
![](https://aiclinic-tamaplaza.jp/wp-content/uploads/2023/10/column.png)
胃内で生存することができる数少ない生物。
ピロリ菌は1982年にオーストラリアの医師、バリー・マーシャルとロビン・ウォーレンによって初めて発見されました。彼らは、胃潰瘍や胃炎の患者の胃からこの菌を分離し、それが病気の原因であることを突き止めました。この発見は医学界に衝撃を与え、当時の常識であった「ストレスや飲食習慣が胃潰瘍を引き起こす」という考え方を覆しました。マーシャルとウォーレンはこの功績により2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
ピロリ菌が人体に及ぼす影響は大きく、感染者の約半数が何らかの症状を示します。特に、長期間にわたる感染は胃がんのリスクを高めます。しかし、全ての感染者が病気を発症するわけではなく、多くの人々は何の症状もないまま一生を過ごします。
現在では、ピロリ菌感染は抗生物質による治療が可能となっています。しかし、抗生物質耐性の問題や再感染の可能性もあり、予防や早期発見が重要とされています。
各種検査についてはこちら